愛知県の超混むインターチェンジ、音羽蒲郡ICと豊田南ICの謎を読み解く
昔に比べ、愛知県の高速網は大きく変わりました。一番大きいのは、新東名・新名神の開通によって伊勢湾岸道が東西のメインルートになったこと。後は東海環状道の一部開通で静岡方面と飛騨方面の移動がスムーズになったこと。そんな様々な変化の中でも、昔から音羽蒲郡ICは多くの利用車で混み合う地点です。また、最近では伊勢湾岸道の豊田南ICも渋滞している様子をよく見ますので、今回はこの2箇所のインターチェンジについて、利用車が多い理由を考えてみます。
利用台数が多くなる要素を考えてみる
利用車が多いインターチェンジには、それなりの理由があるはずです。まずは利用車が増える条件を考えてみます。
1.人口が多い街、その付近に位置する
当たり前ですが、インターチェンジ周辺の人口が多ければ、利用する台数が増えることは間違いないでしょう。山間地域であれば、他要素の影響が少なくなるため、よりその傾向は強まると思います。例えば東海北陸自動車道の関IC以北や中央自動車道の多治見IC以東は、街に対して一つインターチェンジがあるような配置なので、人口が多い街のインターチェンジほど利用台数は増えると思われます。
2.通行量の多い一般道に接続する
主要な国道などに接続するインターチェンジであれば、インターチェンジが位置する街から離れた地域の利用車も吸収できます。
3.周辺に他のインターチェンジが無い
人口が多い地域であっても、インターチェンジが複数あれば利用車は分散します。
4.工業地帯付近に位置する
平日の高速道路は、多くのトラックが行き交っています。愛知県は工業王国であるため、他県に比べても多くのトラックが活躍しています。大型トラックの多くは遠距離移動=高速道路利用の可能性大。そんなトラックが出発・到着する工業地帯近くに位置するインターチェンジは、必然的に利用車が増えるでしょう。インターチェンジに近いことを売りに、工場誘致や工業団地の開発を進める自治体も多いですから、とても大事な要素でしょう。
音羽蒲郡ICについて
国道1号線に接続する東名高速のインターチェンジです。国道1号線を北上し、右折でインターチェンジに入る部分がいつも混み合っています。右折レーンが2レーンもあるにも関わらず、です。
ここが混む理由は、地図を眺めればすぐに分かります。まず、音羽蒲郡ICを利用する可能性があるメイン自治体は、蒲郡市、豊川市、豊橋市、田原市でしょう。そしてこれらの自治体はかなりの人口があります。さらに、これら自治体の三河湾に面するエリアは大規模な工業地帯となっており、トラック利用も申し分ないです。
さらに、このエリアの車が名古屋方面へ向かう場合、音羽蒲郡ICを利用する以外の選択肢がほぼありません。東京方面へは、豊川ICを利用するか、国道23号バイパスを進み浜松ICを利用するか。近い将来、蒲郡-豊川の国道23号バイパス未完成区間が完成すれば、そちらへ利用車が流れる可能性は多いにあると思います。
豊田南ICについて
国道155号に接続する伊勢湾岸道のインターチェンジです。このインターチェンジは豊田市に位置しますが、中心部から離れた人口が少ない場所に位置しています。それにもかかわらず、下り出口(大阪方面)と上り入口(東京方面)がとても混み合います。
ここが混む理由も、地図を眺めると推測が可能です。東京方面へ向かう場合、豊田南ICを利用する可能性が高そうなエリアは、刈谷市、知立市、高浜市、碧南市、武豊町などかなり広範囲に及びます。半田市や武豊町は知多半島の街ですが、知多半島道路を利用すると少し遠回りとなります。衣浦大橋等を利用し、国道419号で豊田南ICを目指した方が、最短距離かつ大きなタイムロス無く東京方面に向かうことができます。
さらに半田市や碧南市は衣浦臨海工業地域で、トラックの利用台数も多いです。少し離れているので分かりづらいですが、豊田南ICは、知多半島中南部地域の東京方面への玄関としての役割を担っている、というのが私の見解です。
感想・まとめ
両インターチェンジに共通して言えたのは、半島の玄関口になっている点と、工業地域が背後に控えている点です。多くの利用台数を誇るインターチェンジになるには、周辺地域の利用車だけでなく、離れた地域からの利用が必要なのでしょう。
色々と今回考えてみて、疑問も生まれました。伊勢湾岸道が完成する前って、衣浦臨海工業地域のトラックは、どんなルートで東京方面へ出ていたんでしょうか。もし分かる方がいたら、ぜひ教えてください。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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