愛知県内で、市役所や町村役場周辺の人口密度が高い街はどこか分析してみる

市役所や町村役場は、どんな場所にあるイメージだろうか。名古屋市役所のような行政機関が密集している官庁街に立地するケース、豊田市役所のように駅近中心部に立地するケース、岐阜県庁のように中心部から郊外の土地が広いエリアに移転したケースなど、色々なパターンがあると思う。今回は、愛知県内の区役所、市役所、町村役場の周辺人口に注目して分析してみる。

徒歩15分圏内の人口を調べてみる

使用するデータは2020年国勢調査。市役所、町村役場、区役所から徒歩15分圏内に、どれくらいの人が住んでいるのか調べてみる。

順位	市区町村名	徒歩15分圏内人口
1	昭和区	23,544
2	中村区	23,363
3	東区	20,773
4	瑞穂区	18,719
5	西区	18,716
6	名東区	18,555
7	北区	18,121
8	中川区	15,743
9	岩倉市	14,897
10	中区	14,033
11	守山区	13,981
12	一宮市	13,867
13	北名古屋市	12,717
14	江南市	11,798
15	南区	11,590
16	安城市	11,262
17	春日井市	10,773
18	緑区	10,540
19	豊明市	10,136
20	天白区	10,089
21	大府市	9,600
22	岡崎市	9,529
23	豊田市	9,149
24	知立市	9,027
25	高浜市	8,829
26	瀬戸市	8,732
27	港区	8,720
28	碧南市	8,542
29	刈谷市	8,490
30	大治町	8,389
31	蟹江町	8,245
32	扶桑町	7,866
33	清須市	7,718
34	名古屋市	7,649
35	弥富市	7,644
36	尾張旭市	6,999
37	熱田区	6,972
38	蒲郡市	6,889
39	みよし市	6,792
40	西尾市	6,739
41	豊川市	6,404
42	豊橋市	5,988
43	半田市	5,836
44	稲沢市	5,792
45	常滑市	5,451
46	津島市	5,408
47	千種区	5,255
48	犬山市	5,219
49	小牧市	5,176
50	愛西市	4,957
51	武豊町	4,408
52	幸田町	4,260
53	豊山町	4,239
54	長久手市	4,226
55	新城市	3,890
56	大口町	2,980
57	田原市	2,549
58	あま市	2,481
59	東海市	2,121
60	知多市	2,111
61	美浜町	1,887
62	東浦町	1,545
63	日進市	1,310
64	東郷町	1,124
65	阿久比町	1,046
66	飛島村	442
67	南知多町	326
68	設楽町	127
69	東栄町	33
70	豊根村	12

区役所で最下位は千種区役所だが…

予想通り、名古屋市の各区役所が上位にランクインしている。TOP10のうち、区役所以外は岩倉市役所のみだった。一方、区役所として最下位となったのは千種区役所。ただし、千種区役所は現在仮庁舎に移転中であり、2027年度に新庁舎が完成予定。建物の上層部は賃貸マンションとなる最近流行りの構造であることや、池下駅前という立地であることから、飛躍的に周辺人口も増加すると見込まれる。

参考記事：【千種区役所】現在の場所で20階建に建替え、2027年度に完成！

定期的な立て直しが行われている

千種区役所以外にも、最近では常滑市やあま市、中村区など庁舎が綺麗になっている。

• あま市役所（2023.05）
• 中村区役所（2023.01）
• 常滑市役所（2022.01）

自治体人口に対する割合を調べる

単純に周辺人口だけを調べると、自治体の人口が多いか少ないかの影響を大きく受ける。そこで、徒歩15分圏内人口の自治体人口の何%を占めるのか、その割合を比較してみる。その自治体内でも、人口の多いエリアに市役所等があるのか、人口の少ないエリアに市役所等があるのかが、ざっくり分かるはずだ。

順位	市区町村名	比率	徒歩圏人口	市区町村人口
1	岩倉市	31.05%	14,897	47,983
2	豊山町	27.15%	4,239	15,613
3	大治町	25.89%	8,389	32,399
4	東区	24.61%	20,773	84,392
5	扶桑町	23.05%	7,866	34,133
6	蟹江町	22.08%	8,245	37,338
7	昭和区	21.88%	23,544	107,599
8	高浜市	19.15%	8,829	46,106
9	弥富市	17.77%	7,644	43,025
10	瑞穂区	17.28%	18,719	108,332
11	中村区	16.86%	23,363	138,599
12	中区	15.07%	14,033	93,100
13	北名古屋市	14.72%	12,717	86,385
14	豊明市	14.63%	10,136	69,295
15	知立市	12.50%	9,027	72,193
16	西区	12.39%	18,716	151,082
17	大口町	12.26%	2,980	24,305
18	江南市	12.01%	11,798	98,255
19	碧南市	11.79%	8,542	72,458
20	清須市	11.46%	7,718	67,352
21	名東区	11.26%	18,555	164,755
22	北区	11.12%	18,121	162,956
23	みよし市	10.96%	6,792	61,952
24	熱田区	10.41%	6,972	66,957
25	大府市	10.31%	9,600	93,123
26	武豊町	10.13%	4,408	43,535
27	幸田町	10.04%	4,260	42,449
28	飛島村	9.66%	442	4,575
29	常滑市	9.28%	5,451	58,710
30	津島市	8.87%	5,408	60,942
31	新城市	8.77%	3,890	44,355
32	蒲郡市	8.66%	6,889	79,538
33	南区	8.62%	11,590	134,510
34	尾張旭市	8.42%	6,999	83,144
35	美浜町	8.39%	1,887	22,496
36	愛西市	8.15%	4,957	60,829
37	守山区	7.92%	13,981	176,587
38	犬山市	7.14%	5,219	73,090
39	中川区	7.13%	15,743	220,728
40	長久手市	7.02%	4,226	60,162
41	瀬戸市	6.83%	8,732	127,792
42	天白区	6.12%	10,089	164,817
43	港区	6.07%	8,720	143,715
44	安城市	5.99%	11,262	187,990
45	刈谷市	5.52%	8,490	153,834
46	半田市	4.95%	5,836	117,884
47	稲沢市	4.30%	5,792	134,751
48	田原市	4.29%	2,549	59,360
49	緑区	4.24%	10,540	248,802
50	西尾市	3.99%	6,739	169,046
51	阿久比町	3.69%	1,046	28,383
52	一宮市	3.65%	13,867	380,073
53	春日井市	3.49%	10,773	308,681
54	小牧市	3.48%	5,176	148,831
55	豊川市	3.47%	6,404	184,661
56	千種区	3.18%	5,255	165,245
57	東浦町	3.12%	1,545	49,596
58	あま市	2.88%	2,481	86,126
59	設楽町	2.86%	127	4,437
60	東郷町	2.56%	1,124	43,903
61	知多市	2.50%	2,111	84,364
62	岡崎市	2.48%	9,529	384,654
63	豊田市	2.17%	9,149	422,330
64	南知多町	1.96%	326	16,617
65	東海市	1.86%	2,121	113,787
66	豊橋市	1.61%	5,988	371,920
67	日進市	1.43%	1,310	91,520
68	豊根村	1.18%	12	1,017
69	東栄町	1.12%	33	2,942
70	名古屋市	0.33%	7,649	2,332,176

割合の高い市区町村について

上位の岩倉市、豊山町、大治町は面積が小さい自治体であることが影響していそう。岩倉市のみ30%を超えており、岩倉市民の大体3人に1人が市役所徒歩圏内に住んでいることになる。名古屋市の区に限れば、割合が高い順に東区、昭和区、瑞穂区という結果となった。

割合の低い市区町村について

名古屋市が最も低い順位となることは当然と言える。政令指定都市で膨大な人口を抱えながら、市役所は三の丸にしかない。名古屋市の場合は、区役所の位置で考えた方が、他の市町村との差が縮まる。

名古屋市を除けば、割合が低い市町村は東栄町、豊根村、日進市となった。筆者はこれらの市役所、町村役場へ行ったことがあるが、東栄町と豊根村は街中心部近くに立地しているが、そもそも中心部に人口集中していないというイメージ。日進市は、人口9万人を超える自治体だが、市役所をドーナッツ状に取り囲むように人口密度が高いエリアが存在するイメージだ。昔からの中心部近くに設置された役場だったが、急速な発展に役場付近は取り残されている。川沿いの土地であり、都市計画上で色々と制約がかかるのだろう。市域周辺部はさらに発展が見込まれ、まだまだ自治体として人口も増加する予定となっている。

ちなみに、東栄町と豊根村は住民を暗記できそうなほど少ない人数だが、徒歩15分圏内で到達できる地域を按分して算出しているため、実際にはもう少し人が住んでいる可能性も大いにある。