静岡の秘境、熊(くんま)地区へ名古屋から行くルートは安全か?

浜松市の奥深い山あいに、小さなオアシスのような道の駅があります。その名も「くんま水車の里」。天ぷらそばに五平餅、夏には清流で水遊びまで楽しめる——最近はSNSでもじわじわと人気が広がっている場所です。
ただ、愛知県民がここへ向かうとき、まず頭をよぎるのはルートのこと。
「もし延々と細くて荒れた山道が続いたら…」なんて心配、ありますよね。
安心してください。天気のいい日中なら、想像よりずっと走りやすい道が続きます。それでも「基本は片側1車線はほしい!」派のドライバーには、少し遠回りですが浜松北ICから北上するルートが無難です。
今回は夜に浜松市街地へ寄る予定があったため、行きは東栄町から南下、帰りはさらに南下して中心部へ。そんな道中の景色を、写真とともにお届けします。
場所のイメージを持つことから。
まずは場所をチェックしておきましょう。
Googleマップを開いた瞬間、「うわ、ずいぶん奥まった所にあるな…」と声が出るはずです。
私自身、佐久間ダムや水窪が好きで、名古屋から新城市や東栄町を経由し、佐久間地域を抜けて国道152号線で南下、浜松中心部を経由して国道23号線で帰宅——そんな日帰りドライブルートは何度も走ってきました。
ところが今回の目的地は、その慣れ親しんだルートの「空白地帯」に位置しています。地図上でぽっかり空いた、行ったことのない山あい。これがまた、旅心をくすぐります。
東栄駅付近から静岡県道・愛知県道9号天竜東栄線で目指す
今回は、東栄駅付近から静岡県道・愛知県道9号——通称「天竜東栄線」でアプローチ。
本来なら浜松いなさJCTから三遠道に入り、渋川寺野ICで降りるルートも考えていました。ですがこの日は運悪く、新東名の県境付近で事故が発生し渋滞。そこで急きょ、新城ICで降りて東栄町を経由するルートに切り替えました。
県道9号は序盤こそ片側1車線をしっかり確保。それでも少し進むと、しっかり道幅が削られ、山道らしい表情に変わっていきます。とはいえ、すれ違いが困難な場所は少なく、意外と走りやすい印象。舗装も主要地方道らしくしっかりしていて、ところどころ落石はあるものの、走行には支障ありません。


道中、印象的だったのは古びたコンクリートのトンネル。そこが今回のルートで最も狭く、夜には絶対通りたくないなと思わせる、なんとも旅情あふれるスポットでした。






写真から雰囲気は伝わったでしょうか。
この道では一度も対向車と出会わず。唯一すれ違ったのは、郵便配達らしきバイクが数台——山奥の日常を垣間見た瞬間でした。
特にストレスもなく道の駅到着
そんなこんなで、特に身構えることもなくゴールイン。
最後の数キロは片側1車線の森の中を抜け、坂を一気に下った先の急カーブで突然ひらけた街並み——そして路面は2車線に広がり、「ああ、着いたな」という安堵が押し寄せます。
駐車場には川遊び目当ての車がずらり。ナンバーを見る限り、どうやら大半は浜松市中心部方面から来たようです。
それにしても面白かったのは、県道9号の路面状況。道の駅を境に北側と南側でまるで別物。北は山道感たっぷり、南は市街地寄りの整った道。設楽町や東栄町から観光客が来ることはあまり想定されていない感じでした。そもそも奥三河のあたりは水資源豊富、遊び場もいっぱいあるので、多分需要がないんでしょうね。笑


天竜二俣方面へは快走路
道の駅から南へ下る道は、まさに快走路。
基本は片側1車線が確保され、カーブもゆったり。夜でも雨でも、ある程度安心して走れる道です。天竜川の支流・阿多古川に沿って進むと、あちこちに駐車場と川遊びスポットが点在し、夏休みの家族連れでどこも賑やか。感覚的には、その最上流部に「くんま水車の里」がある、そんな位置づけでしょうか。
この道の駅、個人的には滋賀県の高間みずべ公園や岐阜県の道の駅 上矢作 ラ・フォーレ福寿の里と並ぶ“優良水遊びスポット”だと思います。駐車場から水辺までの距離が近く、トイレも清潔、おまけに利用料は無料。子連れにはこれ以上ない条件です。
そして忘れてはいけないのが五平餅。香ばしい味噌ダレが絶妙で、娘が気に入ってペロリと一本食べきったのには、こちらが驚かされました。毎年川遊びシーズンに行ってみたくなる、そんな場所でした。