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多治見市に次ぐ街は本当に中津川市なのか、岐阜県東濃地方の都市規模を比較してみよう。

岐阜県の東濃地方は、地形や交通網の広がりから、県庁所在地である岐阜市よりも県を越えた名古屋市と結び付きが強いと言われます。実際に、車でも電車でも、岐阜市へ行くより名古屋市へ行く方が早く到着します。それもそのはず、東濃地方の幹線ぜある国道19号や中央自動車道、JR中央本線は全て長野県と名古屋市を結んでいます。

JR以外では明智鉄道が走る

この東濃地方には、5つの自治体があります。西から順に、多治見市、土岐市、瑞浪市、恵那市、中津川市です。地理好きの人であれば、人口的に多治見市の次に都市規模が大きいのは中津川市というイメージをお持ちかと思います。今回は、このイメージが正しいのか、他のデータも参考にして調べてみます。

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名古屋からの距離で比較してみる

まずは、それぞれの都市間隔をおさえておきます。JR中央本線の名古屋駅から、各自治体の主要駅までの距離は以下のとおりです。

主要駅と名古屋駅の距離(km)
多治見駅
36.2
土岐市駅
43.2
瑞浪駅
50.1
恵那駅
68.3
中津川駅
79.9

恵那市からが遠く感じる

名古屋駅から瑞浪駅が大体50kmでした。ちなみに、名古屋駅から三重県の亀山駅が大体60kmです。

多治見駅、土岐市駅、瑞浪駅の間には中間駅はありません。瑞浪駅と恵那駅の間には、釜戸駅と武並駅という2つの中間駅があります。恵那駅と中津川駅の間には、1駅あります。これが、リニアの話題でよく名前が出る美乃坂本駅です。中間駅の数にも現れていますが、5都市の主要駅間で最も離れているのは瑞浪駅〜恵那駅です。ここは覚えておきたいところです。

名古屋に近い方が数値は有利だろう

多治見市は名古屋市のベッドタウンとして発展しました。この後、人口や駅利用客数のデータを比較しますが、基本的には名古屋市に近い方が当然有利です。通勤・通学で選ばれやすいだけでなく、商売をするにも名古屋市側の莫大な人口をターゲットにできます。逆に中津川市側(長野県側)は、木曽路エリアという人口減少が著しい地域。観光以外での旨みは少ないのかなと思います。

単純人口で比較してみる

まずは王道、シンプルに自治体の人口で比較してみます。

自治体人口(千人)
多治見市
103
土岐市
53
瑞浪市
36
恵那市
45
中津川市
74

中津川市が多治見市に次ぐ2位

多治見市のみ、人口が10万人を超えています。この数値は、県内でも岐阜市、大垣市、各務原市に次ぐ4位となっています。それに次ぐ人口を誇るのが中津川市。市制移行は1952年と、多治見市(1940年)に次ぐ早さでした。

瑞浪市の人口はかなり少ない

土岐市が5万人台、恵那市が4万人台、瑞浪市は3万人台という結果でした。市で人口3.6万人なのは、なかなか少なく感じますね。5市の人口が名古屋との距離に全く比例していないところも面白いです。

瑞浪市の狛犬

主要駅利用客数で比較してみる

次は、それぞれの街の主要駅の乗車人員を比較してみます。名古屋駅に近い方が有利なのは分かりきっていますが、どれくらい差が出るのか、みてみましょう。ちなみに、恵那駅では明智鉄道へ乗り換えが可能ですが、明智鉄道の乗車人員は含めていません。

駅乗車人員(千人/日)
多治見駅
13.6
土岐市駅
5.2
瑞浪駅
4.7
恵那駅
3.2
中津川駅
3.4

人口比較とは違う結果に

大変興味深いことに、土岐市駅が2位、瑞浪駅が3位となりました。先ほどの自治体人口の比較とは違う傾向が出ていますね。やはり、名古屋駅に近い方が利用者は増えるようで、瑞浪駅と恵那駅の利用客に差が出ているのも、この2駅間にかなり距離があることが影響しているのでしょう。その点、中津川駅は頑張っていると言えるのではないでしょうか。

主要駅周辺人口で比較してみる

現在は合併を経て、東濃は5市しかありません。中津川市や恵那市は、かなり大きな市域となっています。面積に大きな差があると、駅前等の中心街の都市機能が人口と比例しない場合があります。そのため、今回は主要駅の半径2km人口を調べてみます。

主要駅半径2km人口(千人)
多治見駅
32.2
土岐市駅
15.5
瑞浪駅
16.8
恵那駅
11.7
中津川駅
13.0
恵那駅前

瑞浪市が2位!?

これには私も驚きましたが、多治見市に次ぐ数値となったのは瑞浪市でした。確かに、言われてみれば市街地がコンパクトな気が…。瑞浪市は、自治体人口では最下位の5位だったにも関わらず、中心部で比較した場合は2位まで順位を上げました。人口の約半数が、瑞浪駅2km圏内に住んでいると考えると、かなりのコンパクトシティですね。

中津川市が思ったより少ない

中津川駅前は、大きな4車線の道路が走り、東濃の街ではかなり都会的なイメージがありました。そのため、この順位は少々意外でした。逆に中心部に商業で賑わいがあって、住むエリアはその周辺になっているという可能性も考え、次のデータも調べてみました。

主要駅周辺事業所数で比較してみる

駅周辺に事業所がどれだけあるか、というデータです。当然、事業所数が多ければ働く場所が多いわけですから、街の賑わいにも影響してくるでしょう。経済的な視点からも中心街を比べてみます。

主要駅半径2km事業所数(件)
多治見駅
2653
土岐市駅
976
瑞浪駅
840
恵那駅
750
中津川駅
1013

中津川市の底力

駅周辺の事業所数を見れば、多治見市に次ぐ2位は中津川市でした。岐阜県内に支店を設置すると仮定した場合、東濃に2か所置くのであれば、私なら多治見市と中津川市に置くと思います。土岐市〜恵那市と比べて、北側や東側(長野県の一部や下呂市まで)をカバーできそうですからね。

都市規模比較の最終結果

ここまでいつくかのデータで比較をしてきました。どうでしたか。この記事を読んで、少しイメージが変わった人がいるかもしれません。私自身、あえてA〜Dランクで表すのであれば、これまでのイメージは以下の通りでした。

多治見市
中津川市
土岐市
恵那市、瑞浪市
これまでのイメージ

これが、今回いろいろと調べてみて多少印象が変わりました。中津川市が思っていたよりも人口が分散していたこと、瑞浪市が意外と市街地密度が高いという感想を加味した結果が、以下のとおりです。

多治見市
中津川市、土岐市、瑞浪市
恵那市
今回のイメージ

リニア開通でどう変わるか

リニア中央新幹線が開通予定なのは中津川市中心街と恵那市中心街の間です。中津川駅に併設されていれば、かなりの発展が見込めた気もしますが、こればかりは仕方ないですね。市街地から離れた位置に駅ができることを活かして、企業誘致等を経て新たな市街地が形成されることを期待しています。

馬籠宿も観光客が増えるはず

木曽路の玄関口として

現在の中津川は、木曽路の玄関口としての機能はあまりないように感じます。多くの人は名古屋駅からワイドビューしなのを利用しているはずです。もし中津川市にリニア駅ができれば、中津川駅からワイドビューしなのへ乗車したり、観光バスに乗車したりする観光客が増え、中津川市に活気がもたらされるかもしれません。そうなれば、今回調べた数値も大幅に変わってくるかもしれませんね。

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