犬山橋の免疫がなければ、浜大津で大混乱していただろう
琵琶湖を一般道で時計回りに一周するたび、近江大橋から見える都会の景色には、毎度のことながら驚かされる。人口や都市圏のデータだけを見ていると、大津市はやや冴えない県庁所在地という印象を抱きがちだ。しかし、実際に訪れてみると、その見方は大きな誤りだと気付かされる。
京都市に隣接しているため、大津市が昼間人口の多い都市になることは難しいかもしれない。しかし、ベッドタウンとしての規模は相当なもの。加えて、平地が少ないため市街地の拡大に限界があるため、可住地面積に対する人口密度はかなり高い。そんな大津市の中心部を車で走っていると、京阪電鉄のびわ湖浜大津駅付近で驚きの光景に出くわした。
「電車が道路を走っている!?」と思わず声に出してしまうような状況。路面電車なら、豊橋や岐阜で何度も見ているので驚かないはずだが、この光景は違った。思い返せば、かつての犬山橋の記憶があるおかげで、そこまで動揺せずに済んだのかもしれない。
びわ湖浜大津周辺の渋滞はなかなかのものだ。同じく渋滞がひどかった犬山橋は、新しい橋が建設されて軌道部分は無くなった。20年後、大津市の軌道路線がどうなっているのかはわからないが、時代の変化とともに景色が変わっていく可能性は大いにありそうだ。