名古屋市の人口密集地区ランキング。１km四方に１万５千人が住むエリアを６箇所発見。

都心回帰の傾向が強まる昨今。大都市圏内の中核市では、駅前に高層マンションが建設されることも増えてきました。例えば武蔵小杉、圧巻の高層マンション群で、あの駅前にはどれだけの人が住んでいるのだろうと思うことがあります。

愛知県では、そんな人口密集地区はどこなのだろうかと気になりました。今回は、2020年の国勢調査を参考に、1km²のエリアで人口が多い順にランキングにしてみました。まず愛知県全体で簡単に調べてみましたが、トップ７はすべて名古屋市のランクインとなりました。

1位：上前津〜東別院周辺

名古屋市中区

名古屋市営地下鉄名城線、上前津駅から東別院駅にかけての中区にある一帯が、名古屋市で1番の人口密集地区でした。大須という一大繁華街と、金山という副都心に挟まれており、新堀川沿いにマンションが多く立地しています。また、東別院にはテレビ朝日の系列局（メーテレ）があります。

駅の利用者も増加中

名城線の東別院駅は、2004年と比べコロナ前の2019年に利用者が1.3倍となっています。上前津駅と金山駅という、利便性の高い駅に挟まれながら利用客が増加しているのは凄いと思います。堀田駅と新瑞橋駅に挟まれた妙音通駅の利用者が少ないことを考えれば尚更です。

2位：白壁エリア

名古屋市東区

次点で人口密集地だったのは、名古屋市東区の高級住宅地としても名高い白壁エリアです。金城学院中学校・高等学校や、有名な結婚式場である百花籠（ひゃっかろう）などがあります。

名古屋市随一の高級住宅街

名古屋市東区の西側、北を北区、南を中区に挟まれたエリアが白壁と呼ばれる地域です。名古屋市によって「白壁・主税・橦木町並み保存地区」に指定されています。名古屋市市政資料館や名古屋拘置所は白壁一丁目です。つまり、県庁や名古屋市役所などの行政機関が集まるエリアに非常に近い位置にあります。

3位：平安通駅周辺

名古屋市北区

北区からランクインです。地下鉄名城線と上飯田線の乗り換え駅である平安通駅周辺も、人口が非常に多いエリアでした。交通の要衝である大曽根駅が近いほか、三の丸地区や栄地区への移動もスムーズです。

4位：名東本通周辺

名古屋市名東区

名東区からのランクインです。星ヶ丘駅や一社駅など、地下鉄東山線の駅前から少し南に坂を登った辺り一帯が、人口密集地区です。元々、名古屋市の住宅需要に対応するために開発されたエリアで、現在も公的な団地が多く残っているため人口が多いようです。星ヶ丘駅の利用者数が多いことも頷けます。

今回ランクインした中では最も名古屋市中心部から離れた場所でした。

5位：上飯田駅周辺

名古屋市北区

3位の平安通駅周辺と隣り合わせでランクインです。名古屋市北区にある上飯田エリアは、県営住宅が多く建設されたこともあり、現在でも多くの人口を抱えています。昔は上飯田駅から平安通駅まで地下鉄が通っていなかったため、バスか徒歩で移動していたようです。

6位：中村区大門

名古屋市中村区

名古屋駅から西側のエリアでは唯一のランクインです。地下鉄桜通線の終点である太閤通駅と、東山線の中村日赤駅の中間辺りの位置です。

中村遊郭からマンションへ

大門と聞いてピンときた人もいるかと思います。ここはかつて、名古屋の一大歓楽街「中村遊郭」があった場所です。

大正時代、それまで大須にあった遊郭を大門へ移転しました。移転前、このエリアは田畑が広がっていました。昭和前期に遊郭としての全盛期を迎え、平成初期には新大門商店街が賑わいをみせました。現在は名古屋駅から徒歩15分程度という恵まれた立地を活かして、多くのマンションが立ち並ぶエリアとなっています。

7位：今池南周辺

名古屋市千種区

7位は千種区からランクイン。地下鉄では東山線今池駅ー池下駅、そして桜通線今池駅ー吹上駅を2辺とする正方形で言い表わすことができそうなエリア。ウェルビー今池や春岡小学校などを含みます。

感想・まとめ

名古屋市内をドライブしていると、大きなマンションが集まっている場所がいくつかあります。個人的には、矢田川沿いの砂田橋周辺、堀川沿いの木場周辺、上飯田駅周辺がマンション群としてイメージが強いです。

実際にはトップ７にランクインしていたのは上飯田駅周辺だけでした。あの密集具合を超える場所なわけですから、とんでもない人口密度ですね。

ちなみに、８位〜１０位は本山駅周辺、今池駅周辺、黒川駅周辺でした。港区、南区、緑区、天白区からランクインが無かったのは意外でした。上位の地域について、なんとなく共通点みたいなものがないか調べてみました。名古屋市中心部からの距離、区の昼夜間人口比率、最寄りの地下鉄路線、色々と考えてみましたが、結果として共通点は見出せませんでした。