歴史ある県下第2の都市だった彦根市の求心力は低下しているのか
滋賀県の北東部は、愛知県や岐阜県からは大変行きやすい場所にある。関西地方と中部地方、大きく言えば西日本と東日本を往来することになるので、意識的には静岡県へ行くよりも遠く感じるかもしれないが、実際は名神高速であっという間に到着する。
何度も彦根や長浜の中心部へ行ったことはあるが、彦根は中心地がとても広く感じる。まず、彦根駅から彦根城までが現在のメインストリートで、市役所や商業施設アル・プラザが隣接している。彦根城観光に立ち寄る可能性が高いのが彦根市本町、夢京橋キャッスルロード周辺だ。この辺りは観光地を意識した、飲食店や小規模な売店が多く立ち並んでいる。
現在の道路網では、なかなか県外の旅行客が立ち寄らないエリアが、彦根城から南に1kmほどのエリア「彦根銀座町」だ。この辺りは、商店街と商店街がいくつも交差するような立地にあって、かなりの規模を感じる商店街となっている。立派なアーケードが整備されており、とても10万人規模の自治体とは思えない。ただし、1970年代後半から衰退が進み、現在では賑わいは薄い。
彦根市の都市圏人口は、2000年時点から減少している。かつて都市圏の一部であった米原町を含む現米原市は、長浜都市圏に組み込まれている。また、かつて彦根都市圏の一部であった愛荘町は、東近江都市圏となった。都市圏の人口だけを見れば吸引力が低下したようにも思える彦根市だが、実際はどうなのか。平成の大合併を経て、周辺の自治体は大きく変わった。都市圏の算出は自治体単位であるから、一見他の都市圏に持って行かれてしまった地域も、実態はまだ影響力があるのではないか。
このあたりを調べるのは、昼夜間人口比率や細かい人口移動を見なければならないので、いつかあらためて分析記事としてあげることとする。今回は、実際の街並みと都市圏人口の乖離が気になったところまで。