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愛知県で外国人が多く住む地域と、多文化共生に関する自治体計画の策定状況や内容を調べてみる

今回は、愛知県内の自治体と外国人について、状況や課題について調べてみました。みなさんが小学生や中学生だった頃、外国人のクラスメイトはいましたか。これに関しては非常に地域性がでると思っていて、愛知県内には当たり前のように外国人と一緒に遊んだり学んだりする学校もあります。実際のところ、愛知県内で外国人が多い住むエリアはどこなのか、調べてみました。

CONTENTS

自治体別の外国人割合について

統計局のデータから、人口10万人あたりの外国人人口が多い順にランキングを作成しました。何年のデータを使用したか控え忘れましたが、2024年6月時点で使用できる最新データを使用しています。

順位自治体名外国人 人口(10万人あたり)
1高浜市7,135.70
2碧南市6,962.70
3知立市6,550.50
4小牧市6,054.50
名古屋市 港区5,770.40
名古屋市 中区5,643.40
5飛島村5,377.00
6西尾市5,270.20
7岩倉市4,837.10
8豊橋市4,548.30
9豊明市4,359.60
名古屋市 南区4,209.40
名古屋市 東区3,986.20
10蒲郡市3,803.20
11蟹江町3,789.70
12豊田市3,782.40
13安城市3,777.30
14弥富市3,535.20
名古屋市 千種区3,456.10
15豊川市3,311.50
16半田市3,276.10
17みよし市3,270.30
名古屋市 北区3,247.50
名古屋市 昭和区3,216.60
18瀬戸市3,107.40
19刈谷市3,060.40
名古屋市 中村区3,037.50
20犬山市3,034.60
21名古屋市2,980.10
22幸田町2,904.70
名古屋市 熱田区2,897.40
名古屋市 中川区2,884.50
23岡崎市2,830.30
24大府市2,803.80
25東郷町2,778.90
26豊山町2,754.10
27東浦町2,649.40
28武豊町2,547.40
29大口町2,501.50
名古屋市 西区2,475.50
30あま市2,377.90
31南知多町2,341.00
32稲沢市2,287.90
33北名古屋市2,257.30
34知多市2,254.50
35津島市2,210.30
36常滑市2,168.30
37春日井市2,156.60
38大治町2,148.20
名古屋市 名東区2,019.40
名古屋市 緑区2,005.60
39新城市1,995.30
40豊根村1,966.60
41田原市1,940.70
名古屋市 天白区1,928.20
名古屋市 守山区1,863.10
42清須市1,783.20
43尾張旭市1,574.40
44江南市1,571.40
45東海市1,540.60
46日進市1,525.30
47一宮市1,519.20
48愛西市1,377.60
49美浜町1,360.20
名古屋市 瑞穂区1,312.60
50扶桑町1,242.20
51長久手市1,225.00
52阿久比町1,074.60
53設楽町586
54東栄町577.8
e-statより筆者作成

高浜市・碧南市と、衣浦臨海工業地域に位置する自治体が1位、2位となりました。そのほかの上位自治体を見ていても、工業が盛んな地域が多い印象です。

高浜市は瓦製造で有名な街

多文化共生の推進に係る計画策定状況を調べてみる

県や市町村等の自治体は、多文化共生を推進するための計画を策定していることがあります。すべての自治体に策定義務があるわけではないので、策定していない自治体も多くあります。この策定状況と、先ほどの自治体人口に占める外国人割合は少なからず関係していると思いますが、実際はどうなのでしょうか。

もちろん、単純に策定しているから素晴らしい、というわけではありませんが、わかりやすく記号をつけています。ご了承ください。

単独で計画策定している自治体

多文化共生推進プランなど、ズバリ多文化共生について取り扱っている計画を策定している自治体です。

  • 愛知県
  • 名古屋市
  • 豊橋市
  • 岡崎市
  • 半田市
  • 春日井市
  • 豊川市
  • 刈谷市
  • 安城市
  • 西尾市
  • 蒲郡市
  • 犬山市
  • 小牧市
  • 大府市
  • 知多市
  • 知立市
  • 豊明市
  • 長久手市

別の計画に含めて策定している自治体

国際化施策に関する計画や、総合計画など、大きな施策を定めた計画の一部で「多文化共生」に関する記述をしている自治体です。

  • 瀬戸市
  • 津島市
  • 碧南市
  • 豊田市
  • 常滑市
  • 江南市
  • 稲沢市
  • 東海市
  • 尾張旭市
  • 岩倉市
  • 日進市
  • 田原市
  • 愛西市
  • 北名古屋市
  • 弥富市
  • みよし市
  • あま市
  • 東郷町
  • 豊山町
  • 大口町
  • 扶桑町
  • 大治町
  • 蟹江町
  • 飛島村
  • 阿久比町
  • 東浦町
  • 美浜町
  • 武豊町
  • 幸田町
  • 東栄町

現状計画の策定が無い自治体

今後策定予定、または今後も策定予定がない自治体です。

  • 一宮市
  • 高浜市
  • 清須市
  • 南知多町
  • 設楽町
  • 豊根村

出典:愛知県内の多文化共生推進プラン等の策定状況について(愛知県)

計画を策定している自治体の特徴

調べてみた結果、外国人割合で1位・2位であった高浜市と碧南市では単独計画は策定されていませんでした。高浜市については現在でもまだ多文化共生に関する計画は無さそうです。政令市や中核市については、外国人割合はそこまで多くなくても、単純に人口が多いので策定しているケースが多いのかもしれません。ちなみに、全国レベルで見れば都道府県では策定率100%(47/47)、政令指定都市でも策定率100%(20/20)です。

逆に策定していない自治体については、高浜市を除けばほとんどが外国人割合が少ない地域です。ある程度は、外国人居住者数と計画策定状況に関係性はありそうです。

多文化推進プランの施策は?

もちろん地域によって出身国の傾向に差が出るでしょうから、内容も一緒にはならないと思います。ただし、大きな方向性はどこも似たようなものだと思いますので、今回は外国人割合が非常に低い状況でありながら単独計画を策定している長久手市の多文化共生プランを見てみます。

参考:長久手市多文化共生推進プラン

外国人住民数や国籍別の分析

施策の方向性が記載される前に、大体どの自治体も、自分の街における外国人住民数の推移や国籍別の分析が出ています。ここを読むとざっくりと現状が知れるので、面白いですよ。

長久手市の場合は、外国人市民数は微増(ほぼ横ばい?)、国籍別では1位が中国、2位が韓国/朝鮮、3位がベトナムとなっていました。やはり東アジアが中心なんですね。ちなみに1〜3位の順位は、全国的な傾向でも一緒です。全国では4位はフィリピン、5位がブラジル、6位がネパール、7位がインドネシアでした。

目標・施策について

長久手市では、以下のような目標と、達成のための施策が定められています。

  • 基本目標1:地域での日本語教育の体制づくり
  • 基本目標2:子どもの学びと子育てを支える
  • 基本目標3:暮らしやすい生活環境を整える
  • 基本目標4:多文化理解と多文化交流のまちづくりの促進

よく色々な市町の公共施設に遊びに行くと、日本語教室が開催されていることがあります。これらはまさに基本目標1にあるような施策ですね。日本人と交流したいけど日本語が分からないという外国人数は一定数いるので、多文化交流の基礎だと思っています。

基本目標2は保育園や学校の案内や、過ごしやすい環境づくり。基本目標3は相談窓口の整備や多言語パンフレットの作成など。基本目標4は、公共や民間団体が色々な交流イベントを開催していくという内容が記載されています。市町村レベルで国際交流協会がある街は、そこが主体となることが多そうです。

どの市町村も大体上記のような内容の施策が盛り込まれています。

様々なイベントが開催されるリニモテラス

最後に・まとめ

各自治体の多文化推進計画を読めば、もっと面白い傾向や施策が出てきそうですが、時間がないので今回の調査はこれくらいにしておきます。個人的には中核市である一宮市が計画を策定していないことに驚きました。外国人割合を見てみると、一宮市はかなり割合が低いです。都会ほど多様な人が住みますから、外国人割合も高くなる傾向にあると思いますが、一宮市の数値は驚きでした。それでも7,000人くらいの外国人が住んではいるんですけどね。計画策定の声が出ていないか、議会録を見てみましたが、特にそれらしいものは見つけられず。ただ、計画はなくとも多文化共生のために様々な事業を実施しているという状況は知ることができました。計画を策定だけして、実際の施策が伴っていないケースよりは良いんだろうと思います。今後も色々調べてみて、面白い施策が見つかれば、当サイトの「政策記事」カテゴリで紹介していきたいと思います。

参考:「地域における多文化共生推進プラン」 の改訂について(総務省)

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