岐阜県42市町村の人口集中地区人口や面積を比較。人口集中地区が設定されていない市は?

人口集中地区という概念はご存知ですか。今回は、このテーマで岐阜県の市町村を分析してみます。「やっぱり都会」、「意外と都会」など、新しい発見があるかもしれません。
人口集中地区とは何か
国勢調査の結果をもとに国が設定する、都市的に人が集まって住んでいる区域のことです。具体的には、
- 人口密度が4,000人/km²以上
- 隣り合う町丁・字をつなげて人口5,000人以上
この2つの条件を満たすと、そのエリアが「人口集中地区(DID)」として定義されます。
何となくですけど、「市街地」とイメージしてもらえれば良いかと思います。
楽しみ方
市町村の人口集中地区を見る時の楽しみ方を1つご提案します。
人口集中地区の定義を先ほど説明しましたが、自治体全体の人口や面積、「市」なのか「町村」なのかは関係がありません。つまり、人口集中地区が設定されない市もあれば、人口集中地区が設定されている町や村があるということです。
例えば、隣り合った三重県いなべ市と東員町は、いなべ市は人口集中地区を持たず、東員町はある、という状況が生まれています。


岐阜県の状況を見てみよう
岐阜県の42市町村の状況を見てみます。市町村コード順でまとめますが、人口と面積で、それぞれ上位5市町村は赤色、下位5市町村は青色に着色してあります。
No. | 市町村 | 人口集中地区人口【人】 | 人口集中地区面積【km】 |
---|---|---|---|
1 | 岐阜市 | 304,103 | 62.62 |
2 | 大垣市 | 95,817 | 23.04 |
3 | 高山市 | 34,502 | 8.4 |
4 | 多治見市 | 53,785 | 12.56 |
5 | 関市 | 25,199 | 6.36 |
6 | 中津川市 | 7,046 | 2.54 |
7 | 美濃市 | – | – |
8 | 瑞浪市 | 13,116 | 3.47 |
9 | 羽島市 | 24,774 | 6.45 |
10 | 恵那市 | 5,656 | 1.98 |
11 | 美濃加茂市 | 11,211 | 3.44 |
12 | 土岐市 | 23,040 | 7.06 |
13 | 各務原市 | 87,517 | 21.55 |
14 | 可児市 | 33,761 | 8.12 |
15 | 山県市 | – | – |
16 | 瑞穂市 | 21,483 | 5.34 |
17 | 飛騨市 | 5,015 | 1.37 |
18 | 本巣市 | – | – |
19 | 郡上市 | – | – |
20 | 下呂市 | – | – |
21 | 海津市 | – | – |
22 | 岐南町 | 14,934 | 3.75 |
23 | 笠松町 | 13,073 | 3.24 |
24 | 養老町 | – | – |
25 | 垂井町 | 13,027 | 4.25 |
26 | 関ケ原町 | – | – |
27 | 神戸町 | 6,346 | 2.47 |
28 | 輪之内町 | – | – |
29 | 安八町 | – | – |
30 | 揖斐川町 | – | – |
31 | 大野町 | – | – |
32 | 池田町 | – | – |
33 | 北方町 | 13,094 | 2.91 |
34 | 坂祝町 | – | – |
35 | 富加町 | – | – |
36 | 川辺町 | – | – |
37 | 七宗町 | – | – |
38 | 八百津町 | – | – |
39 | 白川町 | – | – |
40 | 東白川村 | – | – |
41 | 御嵩町 | – | – |
42 | 白川村 | – | – |
市制移行が早かった美濃市が人口集中地区なし
平成の大合併で無理やり(?)誕生した「市」は、人口集中地区を持たないケースが珍しくない。ただ、市制タイミングが早い、古くから栄えていた市が人口集中地区を持たないことは割と珍しい。
岐阜県でも、美濃市を除けば、岐阜市から順に、13都市に人口集中地区が設定されている。
ここから、美濃市が苦戦している状況が見えてくる。美濃市の人口は、なんと2万人を切っている。


人口集中地区が設定されている町は5自治体
下呂市や山県市など、人口集中地区が設定されていない市が複数ある一方で、人口集中地区が設定された町は全部で5つ。人口集中地区面積が広い順に、垂井町、岐南町、笠松町、北方町、神戸町。これらはすべて岐阜県南部、平野にある自治体です。
岐阜県の自治体で、人口集中地区が設定されている町を5つ答えよ。という出題があったら、あなたは答えられますか?
私は岐南町を堂々と回答した後、養老町とか言っちゃいそうです。
意外と少ない、あの自治体の人口集中地区人口
私が意外に思ったのは、中津川市と美濃加茂市でしょうか。2市とも、瑞浪市の人口集中地区人口より少ないと予想できる人はどれだけいるのでしょうか。逆に、瑞浪市が結構都会なんだととも言えるかもしれません。


美濃加茂市は加茂地域の中心都市で、35番〜41番の自治体を見守っていますが、意外にも人口集中地区の規模は大きくないんですね。ただ、美濃加茂市は衰退している都市ではないので、人口集中地区が消えるなんてことは当分の間ないでしょう。
人口集中地区が風前の灯
さて、最初に説明した人口集中地区の定義を覚えていますか。要件の中で、人口集中地区人口が5千人以上とありました。
つまり、現在5千人に近い飛騨市などは、人口集中地区が消える危機というわけです。そもそも、飛騨の山中にあって人口集中地区を維持しているだけ飛騨市は凄いと思ってはいますが、なるべく粘って欲しいと考えてしまいます。近年の推移を調べてみると、なんと2010年から2020年までの期間に、人口集中地区面積がわずかに拡大していました。このまま頑張れ飛騨市!


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